会長 川田一光

 
 一昨年、昨年とコロナ感染症の影響で、社会経済活動が大きく制約を受ける中で、当業界としては、国民生活に不可欠の生鮮食料品を供給するという卸売市場の役割を踏まえ、できる限りの感染防止対策を講じながら営業を続けてまいりました。新年を迎えて、引き続き、公共インフラである卸売市場の機能を果たすべく、業務に全力を挙げて取り組んでいきたいと思っております。
 さて、当協会会員の経営動向を見ますと、昨年度は、コロナ感染症の影響による巣ごもり需要や天候不順による品薄高により売上が増加する一方、旅費交通費、会議費等の経費の減少により、会員トータルの財務状況は改善いたしましたが、これは、あくまでも一時的要因によるものであり、今年度に入って反動減になるなど、平常時に戻れば業界としては、大変厳しい状況が続いているということであります。
 いずれにしましても、相場だけに左右されるというビジネスでは、これからなかなか難しいことは言うまでもありません。コロナ後の大きな時代の流れを見据え、一昨年施行された卸売市場法の大幅な規制緩和等を活用して、政府が最重要施策として推進される輸出や後述する物流問題への対応も含め、新しいビジネスと市場機能の強化に向け、戦略的に取り組んでいただければと思っております。
 また、青果物需給・流通の現状を見ますと、少子高齢化による需要の縮小以上に生産の脆弱化が懸念されます。こうした産地を販売面から支えられるのは、国産青果物の約8割を取扱う卸売市場以外にないと確信しています。集荷・分荷、価格形成、代金決済、情報受発信という卸売市場固有の機能をしっかり発揮することにより、産地を支援してまいる所存です。
 以上のような制度・政策や生産・流通の状況の下、業界あげて対応すべき課題が山積しております。まず、物流の問題です。トラックドライバーの人手不足が深刻化し、2024年度からトラックドライバーの時間外労働の上限規制が罰則付きで適用される中で、食品の輸送は手荷役作業が多い、待ち時間が長い、小ロット多頻度輸送が多い等の事情から取り扱いを敬遠されるといった深刻な事例が出てきております。政府においても、昨年検討会を設置され、具体策の検討を本格化されましたが、当協会としても、昨年10月、物流部会を設置して、現場の実態を踏まえた実践的な検討を始めております。いずれにしても、当業界が事業を続けていくために対応が不可避の課題であり、検討会の検討結果を待つことなく、できることから早急に取り組んでいく必要があると考えます。
 この他、いよいよ来年10月からスタートするインボイス制度への対応、委託販売の差損の処理の問題など課題を数えると枚挙に暇がない状況でありますが、我々青果卸売業者は、企業の社会的責任が問われる中で、市場のメインプレイヤーとして、戦略的かつ主体的に取り組み、卸売市場の維持発展に尽力して参る所存ですので、関係の皆様のご指導・ご鞭撻を賜りますよう切にお願い申し上げます。

令和4年年頭所感より抜粋